加齢臭と体臭の違い 原因もにおいも異なる

加齢臭と体臭の違いは何でしょうか。
「体臭の一部を加齢臭と言うのでは?」という意見も多そうですが、実は全くの別物で、発生メカニズムが異なります。
体臭とは何か?
体臭とは皮膚の「汗腺」の分泌物から発生している臭気を指します。皮膚の表面には目に見えない雑菌が住んでいますが、汗をかいたまま放置しているとその雑菌がどんどん繁殖します。その結果、皮膚の表面の皮脂や表皮が分解・腐敗され、ニオイを発します。
また汗の臭いとは少し異なりますが、「わきが」という体臭もあります。わきがは汗腺のうち、「アポクリン腺」という場所から発生するニオイで、すっぱいような独特の臭気を放ちます。
加齢臭とは何か?
加齢臭は「皮脂腺」という場所から直接にじみ出てくるにおいであり、細菌の繁殖は関係ありません。ですので、体を綺麗に洗ってその後汗などを全くかかずにいても、時間の経過と共に体内からにおいが発生してにおってきます。
加齢臭を体内から絞り出す皮脂腺は、主に体の上半身に分布し、毛穴の根元の部分に存在しています。体の中から分泌された脂肪酸が皮脂腺で酸化され、これが発生の直接の原因となります。
具体的にどの部位から発生しやすいかを以下に纏めてみました。
皮脂の分泌量が多い体の部位
- 頭皮
- ひたいから鼻にかけての場所(Tゾーン)
- 耳の後ろから首全体にかけての部分
- 両腕・胸の中心部
- 両脇
- 背中の中心部
- へそとその周辺
- 陰部
体臭と加齢臭ではにおいも異なる
また、発生のメカニズムだけではなく、どんなにおいであるかも異なります。
通常の体臭は、いわゆる「汗臭い」嫌なにおいが漂ってきます。
これに対して加齢臭は、
- 30代:脂っぽいにおい
- 40代:かび臭いにおい
となっています。30代のにおいは体臭とあまり差異がないため、この時期の加齢臭は見逃されやすい傾向にあります。
一方、40代のにおいは「ロウソクのニオイ」や「古本のニオイ」に例えられることが多く独特であるため、本人も気づきやすいです。また、このにおいを小さいお子さんなどに聞くと「おじいいちゃんやおばあちゃんのにおい」と言われることもあります。「嫌な臭い」というよりは、どちらかと言うと少し変わったにおい、というイメージですね。